今年はキクイタダキが多いと聞いてか、参加者は全員で 31名に達した。
集合地のイチョウの高木が、次々の訪問者で賑わしい。ツグミ、ヒヨドリ、カシラダカ、ホオジロ、ムクドリなどの面々である。近衛邸跡地付近も、鳥が豊富だ。早くもキクイタダキを見つけた人もあった。これから先、御所北塀内の落葉樹にシメ、芝生にはビンズイ、あちこちで声はすれど、中々姿を見せないシロハラ。キクイタダキは、かなり多く、針葉樹に限らず、落葉した広葉樹にも集まっている。「餌はなんだろうか ?」と考えたが、おそらく枝に産みつけられた昆虫の卵ではなかろうか、ということになった。鳥の沐浴場には、ヤマガラ、続いてアオジがやってきた。このアオジ、口髭条 mustachial stripeが太く目だっていたが、喉から胸にかけての色・紋様から雌に違いない。
迎賓館南の落葉樹に 20羽ほどのイカル。頻りに何かを啄んでいる。彼らが去った後、この木イロハモミジで、食べていたのは、その実であった。小粒ながら、しっかり締まった、固い実である。迎賓館西側の道沿いを遠望すると、路上にカラスが群れている。餌を探しているのだろうが、一体、なにを ? みなハシボソで、30羽以上いる。こんなに多数集まるのは、滅多にないと言う。「アトリがいないなぁ」と憤慨していたら、芝生で餌を漁る単独個体を見たとの報告を受けた。
スズメウリMelothria japonica (Thunb.) Maxim.ウリ科スズメウリ属
仙洞御所西の散策路の南端近くのモミの疎林とその周辺で、最後のキクイタダキを観察。今日の総計では 10羽ほどかと思ったが、「もっと、いただろう」とは、鋭い眼力の持ち主。
九条池の厳島神社の社屋にアオサギ、その傍らの別屋の上には、死んだような姿で昼寝するネコ。池にはマガモの小群。よく見ると、その雌の 1羽の嘴先が黄色い。カルガモの英名のひとつ Spotbill を象徴する特徴である。しかし、顔面の紋様はマガモとのものだ。おそらく両者の交雑個体ではなかろうか、との結論で “けり”。
京都御苑探鳥会(12月16日) T.U wrote
●見聞きした鳥
マガモ、キジバト、アオサギ、トビ、オオタカ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キクイタダキ、ヤマガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ルリビタキ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、アトリ、カワラヒワ、シメ、イカル、ホオジロ、カシラダカ、アオジ 32種
●紅葉植物
アケボノスギ、イロハモミジ、ヤマブキ、イヌビワ、ホソバイヌビワ、ドウダンツツジ、ニシキギ
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