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老女と赤子

淀川の河口でシギを見てきました。種類は少ないものの、オバシギが10羽ほど群れていました。
漢字では「姥鴫」と書きますから、ウバシギ→オバシギと転化したのでしょう。巷間言われているように“オバサンのシギ”ではないと思います。
鳥名由来辞典には、他のシギがちょこまかと忙しく動くのに対して動作がゆっくりしており、嘴も首も足も短く、胴体もずんぐりしているので老女に例えられたと書いてあります。

    

他のシギが気ぜわしく採餌するのに対して、確かにオバシギの動きはのろいですね。見ていても、のんびりした気分になれます。
老女に例えられるシギがいる一方、赤ん坊に例えられるシギもいます。トウネン。
辞典によると、江戸時代は「当年子」と書いて「とうねご」と呼んでいたそうです。つまり、「この年に生まれた子」。体が小さく、夏羽は赤いので、赤ちゃんに例えられたのでしょう。
淀川の河口では生業として干潟で貝を採る人が何人かいて、人慣れしているのかトウネンが私のすぐ近くまで寄ってきました。オバシギとは逆に、ちょこまかと活発に動き回って餌を食べます。

    

日本で見られるシギは約40種いますが、「○○シギ」という名前がついていないのは、トウネンのグループとキリアイのみ。
オバシギを見ているとのんびりしますが、トウネンを見ていると、ヨチヨチ歩きの子どもが公園で遊んでいるようで、可愛くて、飽きません。

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