昨年貴船で開催した夏の自然観察会を今年は「けいはんな記念公園」で実施しました。当日、草本担当のTさんが参加できなくなり、主に私が木を説明する樹木観察会となりました。
猛暑の平日とあって参加者は少なかったものの、熱心にメモをとる方もおられて、担当者としては嬉しいような恥ずかしいような…。
公園の中心部は水景園。この左奥が天然林
個人的には真夏の木の実を観察しながら歩きました。まずはソヨゴ。葉っぱの縁が波打っているのが特徴で、小さな実を一つ付けます。秋には赤くなって、その姿が可愛いので最近は庭木としても人気があるようです。
関西の森には普通に自生しているヤマウルシやヤマハゼもたくさんありました。いずれもウルシ科で、樹液に触れるとかぶれます。ところが、この2種を見分けるポイントの一つは、実に毛があるかどうか。
私の図鑑には「触って毛があればヤマウルシ」とも「触るとかぶれる」とも書いてあります。「どないせえちゅうねん!」(笑)。
実は高い所にあって触れないので、葉の形状からヤマハゼと同定しました。下はその実。以前、同じウルシ科のヌルデの実は口にしたことがありますが、さすがに今の時期のヤマハゼの実は遠慮しました。
この森に多いのはタカノツメ。新芽の形が鷹の爪みたいに曲がっているのでこの名があります。唐辛子と同じですね。
この樹の特徴である三出複葉がいたるところに茂っていて、おかげでその実をじっくり観察することができました。
もう一種多かったのはリョウブ。コースの後半には「リョウブの谷」と名付けられた場所もあります。
この樹は昔は救荒作物、つまり飢饉の際に食料として利用するために植えられていました。どういうふうに食べるのか知らなかったのですが、参加者の一人が「葉をご飯に混ぜて食べます。私も昔食べましたが、美味しいものではないです」と教えてくださいました。下はリョウブの花。
今はリョウブの葉が飢えを満たすことはないでしょうが、真夏に咲く数少ない花として、目を楽しませてくれます。
けいはんな記念公園平日自然観察会 (8月7日)
●見聞きした鳥
カイツブリ、アオサギ、ドバト、キジバト、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 17種
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