この時期、ともすれば前へ進めなくなる。踏み分け道であるが故にということなのだが、繁茂する植物との戦いである。高い湿度、気温、歳のせいもあるのだが疲労困憊。強制されてつづけられる調査ではないと思う。少なくとも私は 2ヶ月ごとにここへ引き寄せられるのだ。
ムラサキツメクサ、キリギリス、ニワウルシ、クモ、ヤブミョウガ。この日はカナヘビやトカゲも見かけた、薮をアカミミガメが歩いていた。ニイニイゼミ、クマゼミが鳴いている。
最近、日々人の手が入っているようだ。と言っても私たち調査チームが歩く程度のことではない、大きく開削されていたり、見慣れた木々が姿を消したり。新しいフェンスがはられていたり、森の下草がなくなっていたり。そうしたことには総て理由付けがなされてのことなんだろう。「草刈って、なにが悪い」みたいなことだ。
昆虫の生存圏なんて小さなものだし、例えばカヤネズミ、道一つ隔てて移動することはないらしい。極端な話し、小さな植物群がなくなればなにかしらの生物が絶滅してしまう。
この季節の植物たちの旺盛な繁殖力は戦いなのだろう。移入種の猛烈な拡大もその一端だと思う。美しく開花する花々、見上げればメジロたちの群れ、ホオジロの雛やヒヨドリの鋭い刃物のような地鳴き。ウグイスの止まることのない警戒声、この日は誰が持ち込んだのか森の中にイチョウが生えていた。
三川合流桂川左岸には生命力が満ち満ちている。次来る時にもなにかしら新しい発見があるだろう。 桂川生物多様性調査 (三川合流) 7月14日
●記録できた鳥
カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コチドリ、イソシギ、ドバト、キジバト、コゲラ、ツバメ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、セッカ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 23種
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