五ヶ月ぶりの原生林行きです。
冬の間は積雪が多く、鳥もいないので調査には入りません。
冬鳥が少なかった今年の冬でしたが、夏鳥は順調のようです。
というより、少し早目かな?
朝の調査に備えて前夜に現地入りするのですが、このとき仲間と呑みながら語るのも大きな楽しみです。
今回はその語らいにコノハズクが参加してくれました。
「プッ、キョッ、コー(仏法僧)」と聴こえるコノハズクの声は、深山の夏ならではのもの。
近年数も減って聴けない年もありますが、今回は結構近くで鳴いてくれました。
でも早いなあ、もう来ているんですね。
4月の末にコノハズクの声を聴くのは珍しいと思います。
コノハズクの声を聴きながら酒を呑むなんて、ほんとに最高の贅沢ですね。
ちなみに、私の名前scopsはこのコノハズク(学名 : Otus scops)からいただいたものです。
林道や林内にはまだ雪が残る。場所によっては30cmもの積雪が残る。
林道に咲いていた花
イワナシ いつもと同じ場所に今年も咲いていた。
オオイワカガミ
オオイワカガミのシロバナがあった。
キンキマメザクラ ヤマザクラよりずっと小さい可愛らしい桜。
コタチツボスミレ
アカショウビン、少しは期待していたけど、その期待通り現れてくれた。
しかも、姿じっくり付きで2度も。
同行の友人が撮影した映像をお借りしました。ちょっと枝がかぶってますけど、ご容赦。
途中、ヒガラの数を数えていたら、その目線先上空にタカの姿。・・・ハチクマだ!
今までここであまり見かけたことのない春のハチクマの渡り。
今季初のハチクマを、まさか上谷で見るとは思っていなかった。
帰路の野田畑近くでピックィーの声。
見上げるとサシバが2羽で輪を描いている。急降下したりしてディスプレイのようなことも。
渡りには見えないけど、近くで繁殖するのでしょうか?
林内の花
ヤマエンゴサク
サイインシロカネソウ
スミレサイシン
マルバマンサク
ミヤマカタバミ
エンレイソウ
この時期、キバシリも多い。
行きも帰りも同じ場所で少なくとも3羽以上が鳴いている場所があった。
エサをくわえているのもいたし、ひょっとしたら近くに巣があるか、巣立ちしてすぐの幼鳥がいたのかもしれない。
今年もオシドリは、この谷で繁殖するつもりらしい。
もう何年連続で見ているだろうか。
先日、ニリンソウと間違えてトリカブトを食べて亡くなった方がいた。
今回、両方あったので比較してみました。
ニリンソウ
トリカブト
まあ、似ているっちゃあ似ているけれども・・・
このようにトリカブトも大きいのやら小さいのがあるので紛らわしいけれど。
おまけ:がんばる樹木
去年、折れてしまったブナの木から新芽が出ていました。
林道のタニウツギ 雪の重みで土にめり込んでいたあとがくっきりと刻まれている。
春になると起き上がるんですねえ。
今回の観察種
ハチクマ、トビ、サシバ、オシドリ、アオバト、ツツドリ、コノハズク、アカショウビン、アオゲラ、アカゲラ、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、トラツグミ、クロツグミ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、コサメビタキ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キバシリ、メジロ、ホオジロ、イカル、カケス、ハシブトガラス、 32種
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現在、この森(京都大学芦生研究林)への立ち入りは厳しく制限されています。私たちは10年以上前から野鳥の生息調査をしており、それを継続するために京都大学から許可を得て入林しています。そのついでに、林内の風景や自然の営みを観察してご紹介しています。 ●芦生研究林一般者入林規定(クリック)
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