天気は良いが、いやに寒い。夜半に通過した寒冷前線のせいだろう。定刻の半時間ほど前に着いたところ、オオルリが囀っている。近寄ると、近畿地方に定着する仲間の歌とは違う。中部地方のものでもない。遠い北海道のものとも異なる。この鳥の歌は地方差が激しい。さて、こいつは何処まで北上するのだろうか ? 近衛池に近づくと、高木でアカハラが歌っている。完成歌にかなり近い。これに触発されたのか、傍らでシロハラも “ぐぜって” いる。こちらは、いつも聴くサブソングだ。
参加者が揃ったところで “ヒィー” と高い、澄んだ声がする。知っているはずだが ? やっと「レンジャクだ ! 」と思い出す。そう叫んだのだが、すでにタカの目の持ち主が、イチョウの高木にヒレンジャクを見つけていた。
移動を開始すると、先ほどのオオルリは鳴き止んでいる。残念 ! だが、近衛池の近くでアカハラが相変わらず囀っている。センダイムシクイとエゾムシクイも唱和する。望みが叶ったのは嬉しいが、皆さん、高木のツグミ類に夢中で、”声だけ” には、あまり注目してくれない。
バード・バスの周辺は、鳥たちが不在と見えて、写真屋さんたちは手持ちぶさたの様子。でも、頭上の樹木にコサメビタキが見つかった。しかし、当方の眼は節穴同然である。迎賓館の疎林に入ると、地面で採餌するシロハラやシメが目立つ。でも、アオジが見つからない。路傍の高木に、何人かが、何やらスマートな姿の鳥を見つけたらしい。当方には見えないまま、途端に、典型的ではないが、サンショウクイの声。そう伝えると、今度は仲間の一人が、姿で確認してくれた。この後、かなり遠いがキビタキの囀り。
御苑内はカエデ類が花盛り。本苑では見たことはないが、ハウチワカエデの花が一番だ。ところが、清女曰く、”カエデの花は干からびた虫のようで、はなはだ頼りない” と。枕草子、本段は「花の木ならぬ、かへで、桂、・・・」で始るのだが、この冒頭の文節の意味は、桜などと違って、”華やかさのない花を咲かせる木” と理解すべきだろう(写真はオドリコソウ、キクラゲ)。
京都御苑早朝探鳥会(2011年4月24日) T.U wrote
●見聞きした鳥
カワウ、ダイサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、トビ、キジバト、カワセミ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ビンズイ、サンショウクイ、ヒヨドリ、ヒレンジャク、アオハラ、シロハラ、ツグミ、ヤブサメ、ウグイス、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、コサメビタキ、エナガ、ヤマガラ、ジジュウカラ、メジロ、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 39種
「本番は明後日です」
◆目と耳で捕らえる冬鳥と夏鳥 京都御苑早朝探鳥会 4月22日(日)
ビンズイ、ツグミ類、ヒタキ類、エゾムシクイなど。 (小雨決行)集合地で判断
集合 午前7時 京都御苑乾(いぬい)御門
交通 地下鉄「今出川」、市バス、京都バス「烏丸今出川」下車、烏丸通を南へ150m
行程 御苑内半周 約2km
解散 午前10時頃 九条池付近
担当 内田 孝・紅林
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