1月、桃山御陵へ冬鳥を探しに出かけましたが、ツグミもシロハラもジョウビタキもルリビタキも不在。しょうがないのでツリーウォッチングに切り替えたら、スギの花が目につきました。2年前まで花粉症は他人事でしたが、現在は人並みに鼻や涙が出るようになったのでちょっと不気味です。
「スギ花粉症は日本特有」と言われますが、スギ自体が日本固有の樹なので当然。でも、北海道と沖縄には分布しないので、この2地域ではスギ花粉症はありません。
その代わり、北海道民はシラカバ花粉症に悩まされているようです。沖縄は最近、花粉症を逃れて長期滞在するヤマトンチュが増えているとか。
欧米では150年以上前から花粉アレルギーが知られていましたが、「日本には存在しない」と言われていたそうです。ところが、昭和38年に栃木県の日光でスギの花粉症が発見されました。
日光といえば日本一の杉並木がありますが、その花粉でしょうか?
日本は国土の67%が森林で、その19%がスギの人工林。戦中戦後に木材の需要増を予想して一生懸命植林した結果、国土の12%がスギ林になってしまいました。
そのスギが成長して花粉をつける樹齢になったので、国民の多くが花粉症に悩むという事態になっているわけです。
スギ花粉症は国の誤った植林政策が原因だとして、静岡の住民12人が6000万円の賠償を求めて訴訟を起こしたそうです。結果は知りませんが、スギ花粉症の要因は大気汚染や体質の変化にもあるようですから、勝訴は難しいのではないでしょうか。
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック