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御室御陵巡り探鳥会

 今日はガン・カモ調査が集中して行われる日と重なり、参加者の出足を心配したが 20数名が集まった。東京から足を伸ばしてくれた方もあった。
 まず、藤原璋子(たまこ、鳥羽天皇皇后)陵に向かう。本陵は、法金剛院の北裏にある。この寺院は璋子さんの御願寺であり、平安初期に右大臣を務めた清原夏野(きよはらなつの)の別邸跡に造られたという。彼は清少納言の 6代前の先祖で、天武天皇の玄孫に当たる。御陵は広く、趣きのある、また尊厳に満ちた雰囲気をもつ。騒がしいヒヨドリと可愛らしい声のエナガにつられて上を見上げると小型のタカがカラスにモビングをかけている。すかさず「ツミだ ! 」と声が掛かる。さては、モビングをかけていたのはカラスであったか ?
 続いて、東側の統子(とうし)内親王の陵を訪ねる。この方は鳥羽上皇と璋子さんの女(むすめ)で、後白河天皇の 1才上の同母姉である。御陵本体は小さな円墳と見られ、規模も小さく、鳥の集える場所ではない。東側にある今宮神社のほうが、鳥の住みかとして格好ではなかろうか。

 府道、131号線に出て北上し、すぐに兼好法師の旧居跡という長泉寺の前を通る。小路を左折すると、双ケ岡”一ノ丘”の登り口に出る。ここは、公園の体をなす広場で、小綺麗なトイレもあり、一服するのに格好の場所である。中型のムクノキが一本。無数の実をつけ”落果”もおびただしい。ひと月前の京都御苑とは大違いで、ここに小鳥たちを呼び寄せたいものだ。鳥はと言えば、名前の特定できなかった樹木にイカルが群れで騒いでいるほかは、ハシブトガラスとヒヨドリが喧しい。他は、ジョウビタキの地鳴きを聴いただけ。
 さらに北上し、平安前期の光孝天皇陵に赴く。「君がため、春の野にいでて若菜つむ…」で有名な天皇だが、父帝、仁明天皇の死を悼んで出家した、歌人僧正遍昭の 70の賀を仁寿殿(じじゅうでん)で祝ったことでも知られる。臣籍降下した遍昭とは言え、臣下を宮中で寿ぐとは極めて稀なことという。
 引き続き、宇多野の円融天皇陵と、その父帝村上天皇陵を訪ねる。一昨年の同時期に見事な囀りを聴かせたメジロと、シロハラやルリビタキなどに期待したが、空振り、今年は、いずこもシロハラ不作の年のようだ。それにしても、出現した鳥が 14種とはなんとも寂しい。
           御室御陵巡り探鳥会(1月9日) T.U wrote
 

●見聞きした鳥
トビ、ツミ、コゲラ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ウグイス、エナガ、メジロ、カワラヒワ,イカル、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 14種

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