アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata セミ科
8月14日、京都の奥座敷・貴船で自然観察会を行いました。鳥が少ない夏は、涼しい貴船で植物や虫を観察しようという趣旨です。
お盆真っ最中の日曜日にもかかわらず14名が参加。涼しそうな川床で鮎料理や流しそうめんを食べる観光客を横目にしながら、貴船川をさかのぼりました。お昼には「流しそうめん 待ち時間2時間半~3時間」の札が出るほどの賑わいでした。
このあたりは京都市内の植生と異なって、いつもは見られない植物がそこここに自生しています。私の担当の樹木でも、川沿いではフサザクラが葉を茂らせ、山側ではウリノキが実をつけていました。
ウリノキ Alangium platanifolium var. trilobum ウリノキ科
また、サイカチやコクサギなど植物園で見たことがある樹種が自生しているのも、多様な自然環境が残っていることの証でしょう。草本やシダ類でもいろいろな種類が見られたようです。
マルミノヤマゴボウ Phytolacca japonica ヤマゴボウ科
お盆の最中に参加するだけあって、みなさん植物や昆虫に詳しく、担当者の私たちが逆に教えられることも多々ありました。
奥の院に到着したのがちょうど12時。一応解散してからお弁当を食べ、離合待ちの車が渋滞する道を縫うように歩いてバス乗り場まで引き返しましたが、並ぶ人も多く、渋滞でバスもなかなか来そうにないので、結局、全員がてくてく貴船駅まで歩きました。知識も体力もつわものぞろいの参加者でした。
アカタテハ Vanessa indica タテハチョウ科
●見聞きした鳥
トビ、キジバト、カワセミ、ヒヨドリ、カワガラス、シジュウカラ 6種
●開花、結実及び観察した主な植物
木本
アオツヅラフジ、アカメガシワ、イヌザンショウ、ウツギ、ウリノキ、エゴノキ、オニグルミ、カツラ、クマノミズキ、ケヤキ、コクサギ、トチノキ、ハリエンジュ、フサザクラ、マタタビ、ムラサキシキブ、ヤブデマリ、リョウブ
草本
ウワバミソウ、エビラフジ、オオキツネノカミソリ、オタカラコウ、カテンソウ、キツリフネ、クサアジサイ、クサソテツ、クリンソウ、コタニワタリ、シャガ、セキショウ、ダイコンソウ、タケニグサ、ダンドボロギク、ツルマンネングサ、トウバナ、ドクダミ、ハグロソウ、ヘクソカズラ、ベニバナボロギク、マルバマンネングサ、マルミノヤマゴボウ、ミツバ、ヤブミョウガ、ヤマアイ、ユキノシタ、ワサビ
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック