6月12日(日)13:00、日本野鳥の会京都の通常総会が右京区仁和寺御室会館で開催された。前年度の活動報告、新年度の活動計画、会計・監査報告、そして新年度予算案を提出。さらに「京都支部」への名称復帰のための規約改定の提案があり、承認される。新年度の役員改選に移り、幹事、監査役が承認されたのを受け、臨時幹事会を行い、澤島支部長の再任などを決めた。
議事終了後、社団法人生態系トラスト協会会長の中村滝男さんの「ここは妖精の国、四万十ヤイロチョウの森トラストからの報告」というタイトルで講演が行われた。まずヤイロチョウの姿、鳴き声を紹介し、その姿を見ることが少ないことから「幻の鳥」といわれる生態を映像や録音を使って話される。そして、ここでヤイロチョウの繁殖が確認された経緯や、その後の保護活動の中で得られた知見が紹介された。とくに、ヤイロチョウは図鑑では雌雄の外見上の違いが示されていないが、明白な識別点があることを話される。つまり飛んだ時の翼の白班が雄は雌より4倍以上大きいということである。そしてこの鳥の繁殖戦略として、多くの個体の繁殖が知られている台湾の例を示して、猿の群れの近づかない湿った広葉樹の森や竹林が好まれること。図鑑では東南アジアを越冬地と考えられてきたが、もう少し西側、朝鮮半島経由で中国雲南省から海南島で越冬していることが紹介された。さらに、最近の地元での保護活動を映像を交えて話され、講演は終了した。
最後に質疑応答に入り、多くの会員から質問が寄せられ、16:30全ての行事は終了した。(広報部)
写真提供:日本野鳥の会高知
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