みなさんはこの草々に覆われた踏み分け道をどう感じられるのであろう。ここのほとんどの植物は帰化してきたものだし、在来種は数えるほどしかない。木々に至っても同様である。ある人にとってはだだの無用の野はらかも知れない。ところが筆者は野鳥の生息場所という見知に立って自然に接しているので、貴重な自然遺産にしか見えないのである。
とても大切なそして居心地の良い美しい庭園なのである。
オオカワヂシャ Veronica anagallis-aquatica L. ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
京都には砂場に石だけを置いてある庭とか坪庭なんてのもあるし、延いては「侘・寂」、哲学的ともいえる自然との接しかたの文化がある。
「庭園」、少し角度の違う見方をすれば自然の占有だろうか、盆栽などもそれに近いのかも知れない。人が生きてゆくために、「緑: 植物」は本能的に切り離せない必需品なのであろう、大自然の中で生活することができなければ手近に木を植えておくってこと ? そして芸術の領域まで育てあげた「庭園」。
対局にあるのが国立公園のような保護地、基本的には全く手を入れないことになっている。
ナガミヒナゲシ Papaver dubium L. ケシ科 ケシ属
三川合流桂川左岸は高名な日本庭園でも自然保護区でもない、所有者のない河川敷(国有地)である。そして、このままにして置いてほしい、手をかけてほしくないと思っているのは「日本野鳥の会」ぐらいかも知れない。しかし、価値は竜安寺の「石庭」や金閣寺以上だろう。京都が誇れる有数の「野鳥庭園」である。「ほんとかなぁ」と思われる方がおられたら2ケ月に一度で良い、一年間ここへ通ってみられたら良いと思う。
桂川生物多様性調査 (三川合流) 5月8日
●記録した鳥
カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、トビ、オオタカ、ハイタカ、キジ、コチドリ、イカルチドリ、イソシギ、ドバト、カワセミ、コゲラ、ヒバリ、ツバメ、ヒヨドリ、モズ、イソヒヨドリ、ウグイス、オオヨシキリ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、セッカ、キビタキ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、シメ、スズメ、コムクドリ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 38種
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