キビタキ(英名: Narcissus Flycatcher) Ficedula narcissina ヒタキ科 ヒタキ亜科
やや肌寒いが快晴の4月29日、銀閣寺門前に集まった鳥見人は担当者を含めて17人。今日の見所、聞き所を説明した後、いざ出発。登山口にさしかかると、冬鳥のシロハラがいい声でさえずっていた。この鳥とも間もなくお別れだろう。空を見上げると、ウワミズザクラが満開だ。
山道を登り始めてすぐに、間近で「チョチョビー」とセンダイムシクイの声。梢を飛び回る姿を見た方もいた。少し進むと、今度は谷底のあたりでコマドリが盛んにさえずっている。続いて近くからコルリの声が…。図らずもこれら2種のさえずりを比較できた。キビタキが何羽か到着しているようだが、さえずりはまだ断片的でである。
千人塚に着いて、小休止しながら鳥影を探す。
樹の幹をつつくコゲラが見つかった。耳の遠い私には聞こえないが、ヤブサメが盛んに鳴いているという。コバノミツバツツジは盛りを過ぎて、「葉桜」ならぬ「葉躑躅」になっている。
再び登りはじめる。左手の谷からオオルリのさえずりが聞こえてきた。150段の石段を上り切れば火床は間近である。火床から見る京都市街のパノラマは、毎度のことながら素晴らしい。多少もやがかかっていて、大阪あたりはよく見えないが、京都御苑、二条城、吉田山、下鴨神社、府立植物園と、市街地に敷かれた緑の絨毯が美しい。
休憩後、「大」の字の右払いに沿って千人塚へと階段を下る。前方をホオジロが飛んで逃げた。千人塚では、別のセンダイムシクイがさえずっていた。下りの途中、砂防ダムに立ち寄ったが、鳥影はほとんどなかった。ダムの下で、頭上を一瞬2羽のツバメが飛ぶ。尾羽が短いので、イワツバメと判断した。
鳥合せの後、予定よりも早く10時10分に解散した。大文字山探鳥会 4月29日 (Σ)
●見聞きした鳥
トビ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、コマドリ、コルリ、シロハラ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、スズメ、ハシブトガラス 21種
ウワミズザクラ Prunus grayana バラ科 サクラ属
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