薄日の射す好天気。気温も高めで格好な探鳥会となった。一旦、松尾橋から100m余り下ってから改めて出発。何と、この狭い水域にカモ類の殆どすべてが勢揃いしているではないか ! 岸辺の芦原からはベニマシコとオオジュリンの声。これで、もう、半分帰ってもいい気分になる。
橋脚の間をくぐって上流域へ。ウグイスやアオジが囁き、姿も見せる。ちょっと遠いが、カシラダカも横顔を見せる。アトリが姿を見せたのもこの辺りではなかったかな ? 例によって、鳥屋集団を”金縛り”にするカワセミもベニマシコ(雄)も姿を現した。当然、脚の運びは鈍る。
誰もが楽しみ、満足し足を止めたのは柳に憩うマヒワの群れ。「50羽ほど、いるかな ?」と仲間に声をかけると、「いや、70羽はいる」という答え。まともに数える人もいるのだ、と感心する。この一月、比叡山探鳥会を担当したH氏に聞くと、山ではマヒワはまったく見られず、雪は20cmほど積もっていたという。そうだ、お山には餌がなくなったのだと、納得する。今年のように雪の多い年は、マヒワを始め多くの冬鳥たちは、挙って餌を求めて下界に降りてきたはずだ。少々年期の入った鳥好きなら、だれもが予想し、実感していることである。他方、下界の、ここ桂川河畔には、まだアキニレの実も雑草の実も、たくさん残っている。山に留まる理由は、さらさらない。
マヒワ(英名: Siskin) Carduelis spinus スズメ目アトリ科(資料画像)
それにしても、マヒワの雄は美しい。日が当たって、胸から腹にかけて明るく輝く黄色には惚れ惚れする。さて、この鮮やかな黄色は、図鑑の写真ではどう再現されているだろうか、というわけで手元の図鑑類で確かめてみた。しかし、残念ながら今回調べた限りでは(横姿が多いのせいもあろうが)黄色の鮮やかさは、本物には遥かに及ばない。よく写っていると思われる、たった一枚でも、黄色のクロマ(彩度)は高過ぎるし、明るさは足りないのである。図鑑の本印刷前には、色調の調整(色合わせ)は充分なされているはずだから、原写真の質が損なわれているわけではない。撮影者の審美眼と腕を疑わないとすれば、写真による、この色の再現は大変困難なことを示しているのかも知れない。それを窺わせるのは、手書きの絵を使用した図鑑(外国書を含めて3冊)では、どれも胸の色は写真によるものより、本物に近いのである。
桂川探鳥会(2月6日) T.U wrote
参加者の方から飲み物が供された。
●見聞きした鳥
カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロ、カワアイサ、トビ、キジ、イカルチドリ、イソシギ、タシギ、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、イワツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリン、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 49種
アキニレの下で落ちた実を採食
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック