今回も、渡月橋から松尾橋まで右岸を下ることにする。歩き出して間もなく、仮番の 3組のオナガガモに出会う。この数年で一番多かったのではなかろうか。30年ほど前までは、この川で一番多かったカモである。しかし、今や、少なくとも、この川の上~中流域では、ハシビロガモとともに”絶滅危惧種”(?)といってもよいのではないだろうか。花見時に駐車場となる広場の高木にシメが 2羽。朝食を終えて休息中か。
嵐山東公園北の広い河川敷に下りてみる。7~8年前の樹木伐採整地後、育ってきた柳などを混じえた雑草地である。ここは、冬の小鳥たちの安住の地なのだが、昨年楽しんだベニマシコとオオジュリンの姿はおろか、声さえ聴こえない。岸辺に進むと、鋭い声とともにカワセミが飛んできて対岸のコンクリートブロックに止まった。始めての参加者が喜びの声をあげる。突然、上空をツグミの集団が舞う。50羽ほどと見たが、堤防に残って周囲を俯瞰していた仲間は「70羽は、いた! 」と明言した。この連中は、マヒワの集団も見つけていてくれた。
この下流域の中洲の際に、カワアイサの雌が 2羽。彼女らは、荒々しく音をたてて、半潜りで採餌中。すぐ近くに、4~5羽のダイサギの群。こちらは、頻りに飛び上がっては、再び長い脚で水中に立つ。このくり返しは、両種の餌を巡っての闘争と見た。ふと、気がつくと、手前の水面に、久しく見なかった雄のカワアイサが 1羽。悠々と上流に向かう。やはり美しい。先ほどの雌の 1羽が後を追う。この、姿の対比は気の毒である。嵐山東公園の楓(フウ)の紅葉はくすんだ黄色で、美しさは例年の深紅に遥かに及ばない。
堤防、兼自転車道を下る途中、カワラヒワ、イカル、シジュウカラ、エナガなど、この界隈の住人たちに会う。しかし、期待していたカシラダカなど冬鳥が見当たらない。と思いきや、鳥合わせ直後に、慧眼の持ち主が”はぐれアトリ”をひねり出した。
桂川探鳥会(12月12日) T.U wrote
●見聞きした鳥
カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、カワアイサ、トビ、ハイタカ、イソシギ、ユリカモメ、キジバト、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグメセキレイ、ヒヨトセリ、モズ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、エナガ、シジュウカラ、メジロ、アトリ、マヒワ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 39種
●植物の実
ノイバラ、ヘクソカズラ、ナンキンハゼ、アキニレ
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