「野村別れ」バス停前でオープニング・セレモニーを済ませ、いざ出発という時に頭上をハイタカが飛ぶ。幸先がよさそうだ。担当を含めて12人のパーティーは、仰木峠に向かう東海自然歩道を進んでゆく。道が山にかかってすぐにある獣害防止フェンスのゲートを開けて通り抜け、スギの人工林に囲まれたなだらかな山道を登ってゆく。鳥影は少ないが、ところどころにある自然林では、エナガやカラ類の群れが散見された。おや!ミソサザイがさえずりのような声で鳴いている。風に舞う落ち葉が小鳥と紛らわしい。地面にはアカメガシワやコシアブラ、ホオノキなどの落ち葉が目立つ。
京都一周トレイル道の分岐を過ぎ、出発から1時間余りで標高573mの仰木峠に到着。ここで横川方面への東海自然歩道と別れ、細い山道を少し下って舗装された奥山林道に出る。ここからは、琵琶湖の雄大な風景を遠望できる。道脇にはヤマザクラやウリハダカエデが美しい紅葉を見せている。林道をしばらく下って闇龗(アンレイと読むのだろうか?)神社に着く。石段の上に鎮座する小さな祠である。神社の少し下流側、砂防ダムの横に開けた場所があり、日当たりもよいので、昼食休憩とする。ここにもエナガの群れが…。
昼食後再び林道を下り始めてほどなく、仰木の里の棚田を横に見るようになる。懐かしい「日本の原風景」が、私たちの心をいやしてくれる。道端にはヤマウルシやハゼノキの真っ赤な紅葉、ノササゲの紫色の豆、ヤブムラサキの紫色の実、サネカズラの赤い実などが里の秋を彩っていた。冬鳥のジョウビタキやカシラダカ、ツグミが出た。
「仰木の里」団地に入ったとき、Yさんの提案で予定のコースを変更し、「仰木西公園」に立ち寄ることにする。面積10ヘクタールほどのこじんまりした公園で、ここでは、アオサギ、コガモ、カワセミ、キセキレイ、セグロセキレイ、モズなどが新たに見られた。カワセミは小川のほとりの石の上に長時間じっと止まっていたので、美しい姿を堪能できた。公園内のベンチで鳥合せ、解散。出現鳥は29種であった。
大原-仰木の里探鳥会11月23日(Σ)
●見聞きした鳥
アオサギ、コガモ、トビ、ハイタカ、キジバト、カワセミ、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、エナガ、コガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス 29種
ノササゲ Dumasia truncata マメ科 ノササゲ属
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック