11月7日(日)、神戸市中央区のクリスタルホールにおいて、日本野鳥の会ひょうご設立30周年記念式典が行われた。午後1時30分開会、会場いっぱいの「ひょうご」の会員などを前に、「ひょうご」代表の奥野さんから設立にいたる経緯、そして今日の到達点、今後の展望が語られた。続いて兵庫県鳥獣行政担当者からお祝いの言葉があり、本部から大畑さんが出席、柳生会長の祝辞を代読された。近畿ブロック各会からも代表者が駆けつけ、それぞれお祝いの一言を述べた。祝電の披露の後、「未来へのメッセージ」が小学生会員から発信され、生き物にとって棲みやすい環境をつくろうと力強く述べられた。
記念式典閉会後、記念講演として長年アホウドリの再生に取り組んで来られた長谷川博さんに、「アホウドリ再生の道 50羽から5000羽へ」のタイトルでお話をしていただいた。一時は絶滅宣言されたアホウドリも、長谷川さんの長年の努力により、種の存続にとって安定した個体数に復活したことが示された。そして2017、8年には5000羽の生息が見込まれるとの予測を述べられた。鳥島の火山噴火や土石流に対し、営巣地の移転を人為的に誘導すること
によって克服した今日、別の困難も出ている。漁網にかかる混獲の問題であり、漁網に鳥よけ吹き流しをつけるなどの対策が図られているとのこと。長谷川さんが、アホウドリの再生に取り組むきっかけとなったイギリス人鳥類学者スティッケル博士の手紙の一節、「アホウドリ再生は、日本の鳥類学者の責務だ」が強く印象に残った。講演終了後、多くの参加者との質疑応答があり、午後4時前終了した。(J)
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック