「昼過ぎから雨」という予報の下、「途中からのコース変更もあり得る」という条件で探鳥会を決行することにした。参加者はさすがに少なく、担当を含めて9人。
120人乗りのロープウェーで、標高1108mの打見山山頂まで一気に登り、鞍部の笹平へと下り始めてすぐに、アトリの群れが出現した。数十羽はいるだろうか。目の前の木に止まったり、向こうの斜面へ飛んで行ったりと忙しい。笹平と蓬莱山山頂との標高差は約120mだが、山頂が目の前に見えているのに、なかなかたどり着けないようなもどかしさを感じる。標高1174mの山頂には数少ない一等三角点が置かれている。本曇りのため、山頂からの眺めはいまひとつだったが、ほぼ琵琶湖全体が見渡せた。
リンドウ Gentiana scabra var. buergeri リンドウ科
小女郎ヶ池へと下る道の入り口を間違えてしまい、途中から斜面をトラバースして本来の道に戻る。ところどころにリンドウが咲いているが、日差しがないため花はすぼんだ状態である。ホオジロが姿を見せた。今日は栗原から権現山~打見山の縦走コースを歩く「チャレンジ比良」のハイキングイベントが行われていて、ゼッケンをつけた参加者と次々にすれ違う。小女郎峠の手前で、センブリが一株、美しい花をつけていた。
センブリ Swertia japonica リンドウ科 センブリ属
小女郎ヶ池に到着し、昼食をとりながら鳥の出現を待つが、天候の所為かコゲラの声が聞こえた程度に終わり、残念。大型ツグミ類と思われる鳥が1羽飛んだものの、同定はできなかった。雨が降り始めるまで1時間はありそうなので、予定通り小女郎谷を下ることにする。
正午頃に池を離れ、小女郎峠から急坂の険悪路を慎重に下ってゆく。参加者は山慣れた方が多く、この程度の悪路は平気な様子で安心する。やがて水音が聞こえ始めると、傾斜は少しずつ緩やかになってゆく。この谷にはテンニンソウやキタヤマブシが多いのだが、どちらも花期を過ぎて枯れ始めている。傘が要らない程度の小雨が降り始めた。薬師ノ滝を過ぎるとほどなく、舗装された林道にで出る。標高約450mまで下ったことになる。やがて農耕地に出て、路傍の東屋で休憩。セイタカアワダチソウにノビタキが2羽止まっている。八屋戸の集落あたりの道端にサクラタデが咲いていた。
雨が本降りになる前に蓬莱駅に到着し、鳥合せ・解散。お疲れさまでした。
蓬莱山・小女郎ヶ池探鳥会 10月24日(Σ)
キタヤマブシ Aconitum japonicum var. eizanense キンポウゲ科 トリカブト属
●見聞きした鳥
トビ、キジバト、コゲラ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ノビタキ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、アトリ、スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス 15種
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