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耳を澄ませて

                 写真提供:日本野鳥の会高知
98/06/10
 早朝、聞き慣れぬ鳥の声で目覚め、自宅の窓から慌てて録音しました。この2声を繰り返していました。
 CD等収録の声と比較すると渡り途中のヤイロチョウではないか思いますが、「低音の鳥」はあまり経験がない上に、ヤイロチョウももちろん野外で出会ったことがありませんのでよくわかりません。DL 5 にアップロード(クリック)させていただきましたので、ご判断をお聞かせいただければ幸いです。少し遠いのと音質が低めのため声はやや弱めに入っています。

(回答への返事)
 こんな鳥が通過することもあるのですね。これからどちらに向かうのだろう。
 実によく響く声で、窓をしめたままで聞こえていました。開けてみたところで近くにいるようでもないし、少し離れた山の方から聞こえてきたのではないかと思います。
 ヤイロチョウの声で起こされるなんてことはもしかしたら生涯にそうそうないかも知れない貴重な体験でした。エゾセンニュウといい、春の渡りもほとんど終わって安心してしまうこの季節も意外な出会いがあるものですね。

98/06/08
 ホトトギスはまだ出会えていないのですが、あれっ?と思う声に出会いました。
LIB 5にアップロード(クリック)しておきました。
 (野生で出会ったことはないのですが)CDで聞いた印象ではエゾセンニュウではないかと思いますが、どうでしょうか。
 録音がとても短いのですが、間の他の鳥の声がちょっとうるさかったために邪魔のない部分を取り出すと1フレーズ分ぐらいになってしまいました。でも特徴は含まれていると思います。終始薮の中を行動し、姿は見つけられませんでした。
(エゾセンニュウはその後も3年に1回ぐらいは出会っている感じです。姿も見られたことがありました)

99/05/20
 珍しい光景に出会いました。
 オオルリのメスが、特に巣の近くに外敵がいるときにさえずりに似た声を出す、という話はよく知られていて、メスもさえずるらしいため、さえずりをコミュニケーションにも使っている可能性も挙げられていました。
 メスがさえずり(クリック)のような声を出している場面は時々雰囲気(音だけ)で出会う程度で、オスとメスがさえずりでコミュニケーションしてそうな場面も雰囲気だけは感じていたのですが、なんとオス・メスともに同時にさえずっている光景に初めて出会いました。

 状況は小声のオオルリのさえずりが同じ斜面から聞こえてきたので、オス同志のなわばり争いかな、と思っていました。下の方にとまっていたオス(より小声で鳴いていました)を見つけてみるとずいぶん落ち着いた様子で、なわばり争いの時のように別に警戒したりそわそわする様子がありません。上の方(木立の中腹)にもう一羽いるはずなのでしばらく探していると、さえずりが威嚇音的(威嚇音だと思っていますが、野鳥大鑑に地鳴きとして収録されている鳴き方)になり、同時にメスの姿をみつけました。声の方向からしてメスがそれまでさえずっていたことはほぼ間違いなく、その後メスは枝を少し渡りながら、威嚇音を出し合間に先ほど聞いたさえずりのフレーズを折り混ぜていました。オスは鳴き止んでいました。

 オス・メスで何らかのコミュニケーションを取っていたところに観察者が来て、メスが観察者への威嚇的な発声を始めたのではないかと思います。
 メスのこれほどはっきりしたさえずりを聞いたのは初めてで、「さえずりに似た声」どころか、オスのさえずりよりも場合によっては一層澄んで聞こえました。さらに興味深かったのは、さえずりのフレーズがメス特有の初めて聞くようなものではなく、隣のなわばりのオスの特徴的なフレーズをいくつも持っていたのです。このことから、オオルリのメスもさえずりを学習していることが示唆されるのではないかと思います。
 かなりの部分は録音でも記録しましたが(デュエットの部分はまだそれと気付いていなかったのであまり記録していなかったのですが、メス単独になってからの声はある程度入っていて欲しいな)、さてうまく採れていることでしょうか。
 あまり邪魔しないように、メスの声が少し離れたところでその場を去りました。
(オスと交互に鳴いています(クリック)。メスは同一個体なので、フレーズでどちらがメスかわかると思います。遠いので声の小さい方がオス)

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