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京都御苑探鳥会

「南下中の夏鳥たち」

 昨日までの青空は去り、分厚い雲に覆われた日となった。苑内に入って、まず驚いたのは、多くの常緑カシの葉が枯れ、根元から樹幹高くまでビニールシートで覆面されていたことだった。例のカシノナガキクイムシによる食害のせいだが、この対策は遅過ぎたようだ。

 「桂宮邸跡」南のムクノキの下垂枝が多数の実をつけている。昨年の同時期は、すべて食われていたのに。今年は、殆どが熟してない。秋の遅れを実感する。中に、茶褐色の実も混じる。何人かに試食してもらったら、誰もが、おいしいと言う。鳥たちのファースト・チョイスなのも、むべなるかな !

 御所北東部の広場(砂利道)の上空で、ショウドウツバメの飛翔姿を仰ぐ。やっと、今日の”目玉”である南下してきた夏鳥に出会えた次第。いや、なんと、ツバメや、アマツバメ、ヒメアマツバメも混じっているではないか ! この”混群飛行ショウ”は、参加者全員の目を楽しませてくれた。これらの鳥たちもまた、北からの渡りと憶測したが、どうだろうか ?

 母と子の森のバード・バスでクロツグミを垣間見たあと、先を急ぐ。迎賓館南の、小さな松にエゾビタキが止まっているのを発見。間近だし、動きも少ないので誰もがじっくりと観察できたはず。周辺の木にも、何羽かのサメビタキ類が遊んでいる。エゾビタキのほかはコサメビタキであった。でも、確認したのは少数の人だけ。この後、凝華洞跡(仙洞御所西側の道をはさんだ疎林)でサメビタキにも会う。本属3種すべてに見参とは僥倖(ぎょうこう)であった。

 大宮御所正門の向かいにあるスダジイの大木は、今年もたくさんの実をつけている。しかし。まだ漏斗は裂開してない。殻を剥いでみると、かなり色づいた堅果が顔を出した。でも、未熟なので柔らかく、サイズも大きい。例年なら、地上に落ちた”どんぐり”を拾える時期なのだが…。
 今年は、山の木の実が不作だと言う。平地では、遅れぎみながら実が熟しつつある。多数の冬鳥の到来を期待しよう。
              京都御苑探鳥会(10月3日) T.U wrote

●見聞きした鳥
アオサギ、トビ、キジバト、アマツバメ、ヒメアマツバメ、コゲラ、ショウドウツバメ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、クロツグミ、ウグイス、メボソムシクイ、サメビタキ、エゾビタキ、コサメビタキ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 26種

●実を付けていた草木
イヌビワ、ムクノキ、エノキ、トベラ、ウバメガシ、アラカシ、スダジイ、クスノキ、クロガネモチ、アレチヌスビトハギ、イノコヅチ、ミズヒキ、ヒガンバナ

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