35℃近い、ねっとりとした暑さの中、大沢池にはハスの葉が茂り、残花が美しい。カルガモが2羽、気だるそうに浮かぶ。カイツブリがのろりと潜った。水辺で翻(ひるがえ)るギンヤンマが、きらりと緑色に輝く。と、ダイサギが上を飛んで、ハス群落の上を超えた。
エンマコオロギ Teleogryllus emma コオロギ科
一行9人。ゆっくりと池を巡る。池北側の梅林でモリオカメコオロギ、エンマコオロギ、クマコオロギが鳴く。草むらからショウリョウバッタもたくさん飛び出した。”滝の糸は絶えて久しくなりむれど名こそ流れて…..” の歌で知られる「勿来の滝」跡近くで、地面を引っ掻いてコオロギ類を追い出し、じっくり観察する。池東側で、コシアキトンボが半ば沈んだ和船の回りを舞う。
ショウリョウバッタの耳の説明(英名: Oriental longheaded locust) Acrida cinerea バッタ科
庭園を出る直前、アオバズクらしい多数の羽根を発見。オオタカにでも襲われたのだろうか。田畑地区に抜けると、仰向けになったヒヨドリの死骸。どうも嫌な予感がする。橋の欄干にふらふらになったハグロトンボがしがみついている。これは、先ほど近くで散布していた殺虫剤にやられたのだろう。元気な昆虫は、フクラスズメの幼虫、シャチホコガの1種の幼虫(以上、蛾)、マルカメムシ、オオメナガカメムシなど。
アオマツムシ Truljalia hibinonis コオロギ科
日没には、まだ間がある。鳥も活発である。ツバメ、メジロ、チュウサギなど。それに、この暑さの中、”高鳴き”を始めたモズも。だが、鳴く虫には、なかなか会えない。後宇多天皇陵に向かう途中、電線に30羽近いツバメが止まっている。コシアカも混じる。近くに小さな塒があるのだろう。日没が近づいてきた。石材置き場近くでツクツクボウシの大合唱。中にミンミンゼミがひとつ混じっているのが面白い。この時刻からアオマツムシの声が、目立つようになってきた。旧釣り堀へ。夕暮れの中、ホテイアオイの花がほの青く映えている。以前にはなかった。この外来種、店で売ってるそうだ。
解散地の大覚寺門前へ、トイレの壁に「アオマツムシが止まっている ! 」とは、小学生の真生君の訴え、この暗い電灯の下、本当 ? はたき落として見ると、はたしてその通り。一同、少年の慧眼(けいがん)に驚くと同時に、感心する。
北嵯峨探虫会(8月28日) T.U wrote
●見聞きした昆虫
エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、モリオカメコオロギ、クマコオロギ、カネタタキ、アオマツムシ、キンヒバリ、クサキリ、ホシササキリ、ショウリョウバッタ、モリヒシバッタ、ツチイナゴ、ミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミ、ギンヤンマ、コシアキトンボ、サナエトンボの一種、ハグロトンボ 20種
●見聞きした鳥
カイツブリ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、カルガモ、トビ、キジバト、ツバメ、コシアカツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、ムクドリ 16種
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