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比叡山探鳥会

 天気はよいが、とにかく寒い。八瀬で高野川沿いの鳥を見た後、ケーブルで山上へ。さらに寒く、鳥の出もさらさら悪い。ヒガラが静かに鳴くぐらい。旧スキー場に向かう途中、ウグイスとホオジロの囀りを聴く。冬空の元だが「やはり春だ ! 」と実感する。スキー場で、毛並みのわるい子鹿が2頭、下草を食べている。こちらを振り向くが、まったく意に介さずに食べつづける。この辺りは、ホオジロの領分で、あちこちで姿を見せ、歌いもする。誰かが、「アトリの群れが飛んだ」と報告する。

 つつじ園から展望台にかけても鳥は見あたらず。親鹿が2頭、のっそりと採食中。比叡山も鹿の楽園となるのか ? 府県境に向かう下り坂で数羽のアトリが採餌中。ウソも鳴く。境界地点の手前で、これまたアトリが数羽、頻りにヤシャブシの実をつついている。傍らのヒノキ林の間をシジュウカラとヤマガラが戯れている。と、「キバシリ ! 」の声。始めて参加した小学4年生だった。皆さん、彼の慧眼を賞賛しながら観察に没頭する。常々、図鑑の解説も、しっかり読んでいるから、初めての出合いでも咄嗟に同定できたのであろう。2~3羽いるらしい。繊細で、可愛い囀りも披露してくれた。「この付近からキバシリが姿を見せる」と、言おうと思っていた矢先だった。

        シキミ Illicium anisatum Linneaeus シキミ科 シキミ属
                    (写真をクリック)

 山王院から浄土院へ。この界隈、今日はキセキレイもミソサザイも不在。釈迦堂への途中、久しぶりで、例のミズメの幹をコツンとやり、皆さんに匂いを嗅いでもらう。始めての人が多かったので、喜んでもらえた。この先でカケスの声。中に混じってコジュケイも。だが、先行していた仲間はカケスの真似だという。ここでもキバシリの声。釈迦堂の東側の庇下に鳥の巣があり、ミソサザイが出入りしているという。昨年は北側だった。巣は完成間近と見た。寒いので早々に昼食を終え、釈迦堂駐車場と有料道路を過り、旧青龍寺道を引き返す。今度は、府県境近辺にキバシリの姿なし。

 展望台手前でヤマドリの “幌打ち” を聴く。聞き耳を立てていると、先頭者が「一瞬、ヤマドリ後ろ姿(雌)を見た」と言う。いつも、この鳥を見聞する場所だが、幌打ちの主(雄)は近くにいたのだろう。展望台に戻って、タカの飛翔姿を見たが、種の同定まではできず。遠くにルリビタキの地鳴きも聴こえる。ケーブル山上駅に戻り、電波中継塔へ足を延ばす。タカの渡りの時期だからである。しかし、これは空振りで、代わりにエナガとイカルの群れ。
 マヒワは不在。なんとも冬鳥の寂しい年だった。
                比叡山探鳥会(3月22日) T.U wrote

       トサミズキ Corylopsis spicata マンサク科 トサミズキ属

●見聞きした鳥
カワウ、カルガモ、トビ、ノスリ(?)、ヤマドリ、キジバト、アカゲラ(?)、コゲラ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ミソサザイ、ルリビタキ、シロハラ、ウグイス、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、キバシリ、メジロ、ホオジロ、アオジ、アトリ、カワラヒワ、ウソ、イカル、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス 31種

●咲いていた花
アセビ、シキミ、ダンコウバイ、タムシバ、サクラ(種不明)他

        ニホンジカ (英名: Sika Deer) Cervus nippon シカ科

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