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京都御苑探鳥会

鳴かぬ夏鳥たちを求めて!

 快晴とは言いながら 34名もの参加者があった。出発前、多くの視線を浴びながら「これじゃ、たくさんの鳥に出て貰わなきゃ! 」と、些か力んでしまった。

 苑内北部の、今出川通りに近い椋の大木に小鳥たちが散在している。みんな反り返った首のつらさを我慢しながら見上げていると、ヒヨドリ、シジュウカラ、エナガ、メジロにオオルリ(雌雄)も混じっていた。後で報告のあったコサメビタキも、ここでの観察であったろう、。東へ移動中ねいくつものジョロウグモの網が目を引いた。網主の雌と、寄生している (?) 雄の大きさの違いに皆さん感じ入った様子。もちろん緻密で美しい網そのものにも。

            薫りの良いカツラの落葉 

 近衛池で「ここには、カワセミがいるんだがなぁ…..」という、どなたかの願望の声に応えて “御本人” がビューと飛び出した。言ってみるものである。団体の足は、しばし停滞。この間、近くでイカルがのんびりと歌う。その後、イカルの小群が飛んだ。南下するヒヨドリの群れも。

 「母と子の森」のウォーターバスには、いつも通り写真屋さんが群がっていた。オオルリの雌がしきりに水浴びをしている。「ヤブサメも出た! 」とは、その写真屋さんの御教示。この南の小広場にウメモドキが美しい赤い実をたくさん付けていた。葉を落としても実が残るそうが、今は行かなくなった比良山のアオハダ (同じ落葉性モチノキ科) の実を思い出す。

            ウメモドキ Ilex serrata モチノキ科 

 迎賓館東側の林を「コオロギの里」と呼んでいる。ここでは、ヒバリならぬクサヒバリ (コオロギ類) がいい声で鳴いていたが、鳥はさっぱり。この館の南西縁でモズが高鳴きを披露。

 大宮御所西側で、追いついてきた女性が「ムシクイを見た」という。「その種類は ?」と尋ねると、種までは分からないと答える。眉線がはっきりとしていたそうだから、おそらくセンダイムシクイかメボソであろう。
 九条池にマガモとアオサギ。マガモの雄には、エクリプスから脱し切れない個体が多い。ここで鳥合わせの儀式。夏鳥のツバメ、コシアカツバメもも見られた由。おそらく北から南下中の個体群であろう。久しぶりにハクセキレイを見た。ここでは夏に出会うことがないから、北からの客であろう。

      ミゾソバ Persicaria thunbergii var. thunbergii タデ科 イヌタデ属

 終了後、梅小路公園の鳥を常時観察しているグループから、公園内に水族館ができようとしているが、これに反対する会員が多いのなら、支部として反対に賛同する態度を示してほしいとの提案があった。異議なし。通過する夏鳥・冬鳥、ここで越冬するアリスイもいる。都会の真っ只中の、貴重な鳥の憩いの場を奪ってはならない。                        京都御苑探鳥会 (10月4日) T.U wrote

●見聞きした鳥
アオサギ、マガモ、トビ、キジバト、カワセミ、コゲラ、コシアカツバメ、ツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、センダイムシクイ ?、オオルリ、コサメビタキ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、イカル、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 25種

●鳴いていた昆虫
ツヅレサセコオロギ、ミツカドコオロギ、モリオカメコオロギ、クサヒバリ、カネタタキ、ツクツクボウシ

●実をつけていた植物
モミ、アカマツ、クロマツ、ナラ類、ツブラジイ、スダジイ、ムクノキ、エノキ、クスノキ、クロガネモチ、ウメモドキ、ヤブミョウガ、ヒカゲノイノコヅチ etc.

         イヌビワ Ficus erecta Thunb. クワ科 イチジク属

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