京都からは近鉄のいろいろな路線を乗り継いでこないといけないし、天気予報は怪しげだし、参加者は少なかった。ところが結局すばらしい天候に恵まれた。いつもは込み合う登山バスも空席が目立つ。ロープウェイ前のバス停に降り立ち念仏坂を登り始める。舗装されていて歩き易い、まもなくミソサザイのスポットだ。ここではなぜか容易に見つけられる、渓流の陰で営巣しているらしく、餌運びに専念している姿はまことに健気だ。登山客がひきりなしに行き来する場所なのに平気で子育てに勤しんでいる。外敵の阻害を逃れる彼らの戦略なんだろう。
キビタキ、クロツグミに混じってソウシチョウの声もする。ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラの子どもたちが群れをなして木々を渡る。カケスの姿、森の合間の僅かな空にヒメアマツバメを見つけた。伏見峠に到達すると後は解散地までなだらかな尾根道である。すでに 12時近い。昼食だ。
一路、転法輪寺を目指す、ソウシチョウとミソサザイの饗宴が続く、イカルが変わった鳴き方をしている。昨年は不覚にもカラスを確認していなかった。ハシブトガラス、杉の単相林の部分が多く小鳥たちの声が遠い。しかし林を抜ける風は心地よい。展望台で小休止した。遠く大阪の中心街のビル郡が霞んでいる。大阪湾の煌めきが観られなくて残念だけどこの季節、遠望はのぞむべきではないだろう。帰路、植物趣味だというご婦人に「この鳥はなんでしょう」と写真を取り出された、見まごう事無くソウシチョウと答える。しばしみなさんと歓談されていた。ミゾゴイなんて話も漏れ聴こえている。杉の梢にヒガラの群れ、あいかわらずミソサザイの歌の途切れることがない。解散地のロープウェイ山上駅の空は紺碧であった。 金剛山探鳥会 (6月28日)
キツリフネ Impatiens noli-tangere ツリフネソウ科
●見聞きした鳥
コジュケイ、キジバト、ホトトギス、ヒメアマツバメ、コゲラ、イワツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、ミソサザイ、クロツグミ、ヤブサメ、ウグイス、キビタキ、オオルリ、ソウシチョウ、サンコウチョウ、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、キバシリ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、イカル、カケス、ハシブトガラス 27種
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