空模様はまずまずだが、朝からむしむしする、汗かき探鳥会となった。
仁和寺境内はムクドリの集団で賑わしい。この春育った若鳥を混じえた群れのようだ。例年通り市営墓地の尾根道を進むとホトトギスの声。この声が、個体を変えながら、ずっと付き纏うという珍しい半日となった。変わった囀りも聞こえる。しばし佇んで耳をすますとセンダイムシクイだった。歌の出だしも変だし、最後の “グイーッ” も入れない。宇多天皇御陵付近でソウシチョウとオオルリを聴く。御陵周りの堤のササユリは、今年は切られてなかった。だが、その二輪は開花直前の蕾。
御室八十八カ所のコースに入ると、キビタキが歌い、コシアカツバメが舞っていた。郊外の初夏はこうでなくっちゃ ! コース一番の高所でアカゲラの声が聴こえたような気がした。しかし、これは空耳らしい。われに返ると、辺りはカラ類やメジロなど、地元の鳥たちの声で溢れていた。
本探鳥会は午後の支部総会と “一組” になっている。だから、その総会と関連行事に触れることも許されるであろう。紹介したいのは、総会後に行われた原田 勲氏の「モンゴルの旅から~草原の風に吹かれて~」と題された講演である。氏はモンゴル研究とその紹介に後半生をかけられておられる。今回は、延べ 300日に及ぶ滞在記録に基ずモンゴル国解析の開陳であった。当然ながら、珍しい鳥獣や植物、家畜の紹介写真はあったものの、総体的には、かの国の人々の生活様式・態度と、その基本にある思想・哲学に軸足をおいた人文地理学と言ってよい内容であった。今後も、さらなるモンゴル訪問を元に「原田モンゴル学」の完成に向けて進んでほしいと願っている。
御室~大内山探鳥会 (6月14日) T.U wrote
ウラジロ Gleichenia japonica Spr. ウラジロ科 ウラジロ属
(写真をクリックすると大きくなります)
●見聞きした鳥
キジバト、ホトトギス、コゲラ、ツバメ、コシアカツバメ、キセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、ソウシチョウ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス 19種
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック