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梅谷川探鳥会

           トサミズキ Corylopsis spicata マンサク科トサミズキ属

 20年も経っていないのだろう、叡電「修学院」駅で降り、白川通りへでると田畑が見え隠れしはじめ、東山を背景に立木には、この時期かならずモズが止まっていたものだ。今はマンションが壁のよう立ちふさがり風景を都会にしている。しかし音羽川に沿って東へ修学院離宮のほうへ向かうとまだ昔の面影が感じられ、さらに赤山禅院に近づいて行くと家々は新しく建ち直っているものの眺望を遮るものは少ない。比叡山が雄大である。
 梅谷へさしかかると小鳥たちのこえが林に充ち満ちている。もうすこし季節が進むとオオルリが浪々と歌いだし谷間に響き渡ることだろう。この季節の探鳥の楽しみは渡来した夏鳥の姿とともに渡去前の冬鳥たちに出逢えることである。早朝だとエゾムシクイにあえたかも知れない、マヒワの群れがまだいてくれた。
 雲母坂が近くなるとコガラ、ヒガラ、それにここでは珍しいミソサザイが目の前で唄う。斜面を数頭の子鹿が駆け抜ける。遠くセンダイムシクイが聞こえる、一休みして急坂へ差し掛かったころコマドリがなきだした。まだまだ不完全で断片的だ。

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 私たちのパーティもけっこうな人数だったけどこの時期心地良い風に誘われて山へでかける人は多い、一時は数十メートルの列ができてしまったり、しばらくは単相の森が続き、聞こえるのはヒガラ、ヤマガラくらい。登りつめるとケーブルの山上駅だ、咲きそめの桜のもと昼食をとる。メジロがよく囀る、当日、町中は夏といつてもよい気温であったようだがここらの木々はまだ早春の様相である。銀色のコナラ、萌黄色のモミジ、出そろった新芽の中に純白のコブシの花が眩しい。
 遠くのドラミングに耳を澄ませていると初夏を象徴するようなアオゲラの囀り。ホオジロ、ウグイス、シロハラ。見晴らしの良いいつもの休憩場所、春霞というのだろか山並は不明瞭だ。琵琶湖も比良連邦もさだかではない。目立たないクロモジの花に重なるように青空に映える枝先を黄色に染めた木があった。どうもトサミズキのようであった。美しい。ここら辺りから探鳥会も中盤を過ぎ延暦寺の境内が迫ってくる。やはりいる。キバシリだ。しかし、どうしても姿を見つけることができなかった。山王院まえで解散、帰路数名でモズを見た。                            梅谷川探鳥会 4月12日

●見聞きした鳥
トビ、オオタカ、ドバト、キジバト、アオゲラ、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ミソサザイ、コマドリ、ルリビタキ、シロハラ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、キバシリ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、マヒワ、スズメ、ムクドリ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス 35種

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