晴天ながら、最高気温は 7℃前後と低く、それに強い西風に悩まされた探鳥会となった。しかし、参加者は久しぶりに 30名近くあった。本年度最後の比叡山だし、鳥と紅葉両方に期待した方も多かったのでは ?
集合地とケーブル終点近くでルリビタキを聴いたので、幸先いい、と思いこんだのだが、これは間違いだった。冬鳥はおろか、カラ類など地元の鳥たちも極端に少ない。鳥たちは体温の低下を避けるために低所に移動したり、密集した葉陰や、地面の枯れ草の中で休んでいるのだろう。
コースの最高点となる「植栽ツツジ園」の柿の実に数羽のツグミが群がっていた。鳥たちは渋みを感じるのだろうか ?、と議論していたら、「アオゲラもいる !」との声。彼は、樹幹を登るときの毅然とした立ち姿を忘れ、横向きに寝た恰好で柿に喰らいついている。”行儀の悪い子規やな”と思ったが、はたして当山の鐘は鳴らない。やがて頭部が見えて、彼女と判明。
一旦、風の弱い窪地道に降りたところで、やっとウソの声を聴く。谷筋ではミソサザイの警戒声も。ここからキララ越え経て、キバシリの住みかとなっている杉林道へ。だが、ちっとも声はしないし、姿も見えない。前回、ここで彼らの姿を堪能した H氏も残念そうな面持ち。歩道橋を渡り、山王院で一休みしてから浄土院へ。門前のスミレモは相変わらず美しい。
釈迦堂まえで昼食の後、東海自然歩道脇で採餌中のホオジロ類の小群に会う。動きが激しいせいもあって、「カシラダカだ、いやミヤマホオジロだ」と衆論は別れたが、結局は、両者の混群れと判明。この先で自動車道を横断し、旧青龍道を逆行してキララ越えに戻る。ここで、大津側に向かう異端者組数人と別れ、再び八瀬ケーブルへ。途中、めぼしい鳥、さらになし。
ケーブル山上駅に着いたら、先着組が大賑わい。京都の町並みの遥か先に、大阪市の全貌が見えるという。鳥に熱心な B氏だが、光る大阪湾に「大きな船どころか、小さな漁船まで見える」と感嘆する。続いて大阪組が叫んだ。「大阪府が買おうという○○ビルも、○○の巨大観覧車も、全部見える」と興奮気味。いやはや、大変な、いや素晴らしい観察会となった。
比叡山探鳥会 (11月30日) T.U wrote
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●見聞きした鳥
アオゲラ、コゲラ、キセキレイ、ヒヨドリ、モズ、ミソサザイ、ルリビタキ、ツグミ、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、ミヤマホオジロ、ウソ、イカル、ムクドリ、カケス、ハシブトガラス 21種
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