昨年、宇治川沿いで開催した「鳥と樹を見る会」は、増水のため天ヶ瀬ダムが放流されてお目当てのヤマセミが見られませんでした。そういうリスクを避けて、今年は同様の趣旨の例会を交野市にある大阪市立大学理学部附属植物園で行いました。
府立植物園と違って、標本ゾーンの奥に自然の地形を生かした野生のフィールドがあるのがこの植物園の魅力。それを生かすため、今回は樹木だけでなく草本、シダ、昆虫に詳しい方々に応援いただいて、自然観察会としました。
スタートしてすぐにバッタが登場。昆虫博士にイナゴとバッタの違いや種類の見分け方を教えていただきました。また、木の実を拾ったり、イスノキの虫こぶで笛を吹いたり、草博士やシダ博士に種類を同定してもらいながら歩くので、なかなか前に進みません。時々、鳥の声につられて双眼鏡をのぞくという、いつもの探鳥会とは様子の違う会でした。
上の写真はイヌビワを観察しているところ。ちょうど実が熟していたので実食していただきました。イチジク科なので味や食感が似ています。園内は高木が多く、木陰のコースを歩くので、それほど暑さを感じません。
ユリノキの巨木が並ぶ広場でお昼を食べて、午後のコースへ。ここでも、やれウズグモだ、やれアマガエルだと、「小学生の野外教室」状態。いい大人が虫や植物に目を輝かして(笑)、楽しそうです。
上の写真はクサギの花。今の時期はムクゲ、キョウチクトウ、サルスベリなど外来の樹の花しか見られませんが、数少ない自生種の花です。名前の通り葉は臭いので、参加者に嗅いでもらいました。ビタミン剤に似ているという人、ピーナッツに似ているという人、いろいろです。
時期的に鳥は普通種しか出ませんが、唯一のハイライトは植物園の前の川で姿を見せたカワセミ。それも、半数以上の人は後ろで野草を観察していたので見られませんでした。
探鳥会では視覚と聴覚しか使いませんが、今回は味覚も嗅覚も触覚も総動員。年に1度はこんな例会があってもいいですね。 私市自然観察会 (8月17日)
●見聞きした鳥
コサギ、キジバト、カワセミ。コゲラ、ツバメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、ヤマガラ、メジロ、ホオジロ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 16種
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック
Unknown
追伸-1
参加者は担当者を含めて18名でした。
追伸-2
クサギを英語でピーナッツ・ブッシュとかピーナッツバター・シュラブ(=潅木)と言うそうです。