いやー、変な日もあるものです。変な”年”かも知れません。出発前、「夏鳥と冬鳥を大いに楽しみましょう」と大きな口をたたいたのに、彼らは例年よりも極端に少なかったのです。
集合地で、頭上にハイタカが舞い、ソウシチョウを聴いた人もあった。はやる気持ちで出掛けたものの、二日前からの雨で西芳寺川の増水が激しく、その音に悩まされ続けた。コースのほぼ中間点のダムまでに見聞きした夏鳥は、サシバ、ヤブサメ、オオルリが各1羽くらいのもの。中間点を過ぎて、延長された自動車用林道まで、新しくキビタキとセンダイムシクイ(声だけ)が加わったがキビタキの姿を確認したのは望遠鏡を覗いていた人だけ。気づいて人はごくわずか。めぼしい留鳥では、アオバトをみつけた人もあった。昼食時、春の渡り途中の数羽のカケスの群れ、これは多くの人が楽しんだ。
ショウジョウバカマ Heloniopsis orientalis (猩々袴) ユリ科
帰り道、”ピチッ”と、かなりきつい一声、並んで歩いていた 2人が、口を揃えて「何 ?」と問う。やおら、「コマドリの地鳴き」と答える。そう、シメの声に似ているが、高さはやや低い。でも、ずっと大きく、また明るい。
イノデ Polystichum polyblepharumオシダ科 イノデ属
植物名の由来は茎にある平たい毛(鱗片)のようなものが
イノシシの手足のようだというのでついたようです。
さて、今回、夏鳥たちとの遭遇が少なかったのは何故だろうか ? しばらく続いた低温と雨のため、彼らの行動 (発声も行動の一つ)が鈍かったせいだろうか。この議論は、あらためて展開して見たい。
道が濡れていたせいか、昆虫類もずいぶん少なく、蝶では成虫で越冬したアカタテハだけ。開花していた樹木は、ヤブツバキ、キブシ、ヤマザクラ、シキミ、タムシバ (?)、コバノミツバツツジ、ヒメヤシャブシ、オオバヤシャブシなど。
松尾谷探鳥会 (4月12日) T.U wrote
●見聞きした鳥
コサギ、トビ、ハイタカ、サシバ、アオバト、アオゲラ、コゲラ、ツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、コマドリ、シロハラ、ツグミ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、アオジ、カワラヒワ、ウソ、イカル、スズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス 33種
(一部の参加者の方となにかに食べられたらしい鳥の羽根をひろいましたが、正体はどうもヒヨドリみたいでした。またの機会に詳しくお伝えします。)
コバノミツバツツジRhododendron reticulatum ツツジ科 ツツジ属
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キヨスミイトゴケ (Barbella flagellifera ハイヒモゴケ科 イトゴケ属)の絡まった、ヤブツバキ (Camellia japonica L. ツバキ科 ツバキ属)
キブシStachyurus praecox (木五倍子) キブシ科
果実が五倍子(ヌルデのちゅうえい)のかわりに染料として
使われることからこの名前となった (雌雄異株)
タチツボスミレ Viola grypoceras(スミレ科 スミレ属)