ムクノキやカエデの濡れ落ち葉が覆い尽くす散策路を歩き始める。小雨決行の予告通りである。鳥の出現は ?、と見ると、地面にはシロハラ、樹上ではツグミ、イカル(群れ)、シメの姿を認める。近衛池にはマガモの小群がたむろして賑わしい。小雨の中、こんな出だしだったものの、その後のめぼしい鳥はビンズイぐらいのもの。小鳥の「水飲み場」の写真屋さんは、キクイタダキを狙っていると言う。でも、今回、この鳥を確認したのはただ一人だけだった。
今冬のビンズイは、御苑南部の芝生に群れているとの S氏の言に期待したが、そこにはハシボソガラスが大群で餌を採っており、小鳥類の出る幕はなさそうだ。九条池に亙る橋は工事中で、池東部のクスノキにアオバトを探すこともできない。もっとも、この時期は朝早くに見られるだけだという。そうそう、忘れるところであった。迎賓館の北でジョウビタキの雌を発見。そこへもう一羽の雌が現われ、縺れ合いの闘争 ! この季節、時おり見る光景だが、雌雄の別なく繰り広げられる彼らの縄張り争いには目を見張らされる。
ヤマブキ
12月ともなれば、さすがにカエデ類の紅葉もほぼ終わりで、代わって黄葉を見せる木が目立つ。カジノキ、イヌビワ、ヤマブキ、カツラ、その他の判らぬ木々などだが、落葉の季節を締めくくるに相応しい彩りとも言えそうだ。もうひとつ、アメリカヤマゴボウの茎が真っ赤になっていた。まことに美しいのだが、これは一体、なんと呼んだらよいのだろう。
京都御苑探鳥会(12月16日) T.U wrote
トベラの果実
●見聞きした鳥
マガモ、トビ、キジバト、コゲラ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、シロハラ、ツグミ、ウグイス、キクイタダキ、エナガ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、カシラダカ、アオジ、アトリ、カワラヒワ、イカル、シメ、スズメ、ハシボソガラス、ハシブトガラス 28種
ツワブキ
次の観察会は「探鳥会ガイド」をクリック