話しはややこしい、この写真は今回とりあげたウツボカズラの仲間ネペンテス・ローウィNepenthes lowii Hook. fil.ではない。ローウィの特徴を残すべく他の強い品種を50%かけて栽培しやすく改良された交配種である。壷の形状はほぼ忠実に再現されている。なんと和名をシビンウツボ(下の写真が純粋種)という。
ご存知のとおりウツボカズラは食虫植物で蓋の部分などに蜜をつけたりして虫を誘因し壷へ落としそれを主な栄養源として成長する。シビンウツボはマレーシアのキナバルなどで確認されているが現地では昆虫類ばかりではなくどうも野鳥が本種の分泌物を目当てにやって来ているようなのです。それだけで共生関係は成立しないのだけど壷に落とされた鳥の排泄物が肥料ともなっていそうだとされています。和名の由来と結びつきそうな話しだけどどうも形状から名付けられたようです。
シビンウツボ Nepenthes lowii Hook. fil.
参考文献:
PITCHER PLANTS OF SARAWAK
Charles Clarke and Ch’ien Lee
Natural History Publications (Borneo)